ふと下書きを覗いていたら文豪少年の感想が出てきたのでこちらに記録として残します!
れっつごー!
第一話「クモの糸」〜芥川龍之介「蜘蛛の糸」より
神田(黒田光輝)、犬山(豊田陸人)
おばあちゃん想いで、ボロボロになった猫を助ける一面を持つ、根は優しいはずの神田はどうして犯罪に手を染めてしまったのかな、刑務所に入った時おばあちゃんはどう思ったのかな、など背景を考えてつらくなりました。
寄り道しない約束を破るシーンは見ていて心が苦しかった〜。てかそんなに何回も脱獄して良いの?とは思いましたけどね。
「犬に会いたい」と言う犬山に諦めろと言った神田は、自分がおばあちゃんに会うのを諦めろって言われたらどう思うかとか考えなかったのかな。この頃にはもうそんな余裕なかったんだろうけど。
神田が声を荒げて「これは俺の糸だ!!」と叫び感情を顕にする場面、欲望に染まってしまったなあ。
ラストは背筋がゾッとしました。おそらく約束を何度も破り優しさを忘れてしまった終盤の神田は、ボロボロの猫を見かけても助けなかったと思います。変わってしまったんだな、寧ろそれが本性だったのか…。
☆黒田くん、トップバッター、無料放送ということの大事さを理解してたくさん宣伝していて、プレッシャーもあったけどそれ以上に手応えもあったと思います。堂々としていて立派でした。
とにかく腹ペコだった豊田くんがとにかくかわいかった。ダークな物語の中でいい癒しでした。
第二話「メロスを待つ男」〜太宰治「走れメロス」より
セリヌンティウス(ヴァサイェガ渉)
走れメロスを思い浮かべた時、やはりメロス側の心情を考える人が多いと思うんです。そこをセリヌンティウス側で話を進めるあたり、ブックカフェに来た少年が自分が認められないという悩みを持っていたから、似た境遇のセリヌンティウスに寄り添えたんでしょうね。セリヌンティウス側の心情が描かれる機会は少ないと思うので、新たな視点から作品を見られて楽しかったです。
「メロスは帰ってくる。俺には嫌というほど分かるんだ」きっとメロスは帰ってきて称えられるだろう、だってメロスはそういう人だから。周りを巻き込んで大騒ぎを起こすのになんだかんだ注目を浴びているメロスのことを心のどこかで羨ましく思っていたのね…。
セリヌンティウスは自分の人生をさほど重く考えていなくて、どうせなら最期くらい、皆に注目されて華麗に散りたいと思ってしまったんじゃないかな。死ぬ時じゃないと注目されないなんて皮肉な話。
彫刻をしている時の生き生きとした表情が忘れられません、劣等感を感じない、自分が自分でいられる時間だったのかな。
☆渉もセリヌンティウスに共感するところがあったと語っていて、渉も劣等感を抱くことがあるんだってそうだよね人間だもんね…。
当たり前ですが顔が美しすぎました渉の顔が彫刻!
第三話「注文が多い店には気をつけろ」〜宮沢賢治「注文の多い料理店」より
カフス(小田将聖)、ネクタイ(田村海琉)
『生きとし生けるものすべての命を大切に』がテーマでした。
料理店の中での出来事は原作に沿った展開でした、だからカフスもやばい!ってピンとくる点があったんでしょう、まあ普通に生きていて遭遇しない展開ですし。ただ引き返す勇気はなかったね。
どちらも態度が大きいけどカフスの方がまだ話が通じるかな、ネクタイはすごいですね、ポジティブすぎて笑いました。どこまでも自分の都合の良いようにしか考えない。大事に育てられた結果がこの傲慢な性格なら何が正しいんでしょうね。
二人の態度は目に余るものでしたが、生き物を大切にしない行動が人々を一番怒らせる決定的な事柄になってしまいました。
大人は子供を助けてくれる、ただその救いの手が差し伸べられるのはいつになるか分からない。二人は追放されて初めて、今までの恵まれた環境に気付くんだろうな。失って初めて気付くなんて救いようもない。更生できるといいね。
☆生意気しょせかい新鮮で楽しかった〜!🙌反抗的だけどまだあどけなさが残る二人がかわいいです。二人が服を脱ぐシーン、いつもこれは見ていいものなのか!?とヒヤヒヤします。
第四話「罪と罰の散歩者」〜江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」より
郷田三郎(川﨑皇輝)
「確固たる理念さえ持っていれば時に法律を超えて人を罰することも許されるんじゃないかって思うんです」暗唱したい。
郷田は何故、あの男を殺そうと思ったのか?哀れな様子の女の子を見て、他にも同じような子たちがいると知って助けてあげたかった?「俺がいる限り永遠に奴隷」と聞いて、それなら男を消せばみんなが解放されると考えた?など。
自分は、郷田はあの女の子のことが少なからず気になっていたのではないかと考えます。だから女の子が男を好きだったのかもしれないと言われた時に「そんなのありえない」と否定した、そうであってほしくないと思ったから。
郷田は男を殺す時は震えていたし女の子が死を選んだ時は驚愕していた。命を絶つ行為が良いことだとは思わない気持ちも残っていたのかと。生きとし生けるものすべての命を大切に…(3話)
意図せず女の子の命まで奪ってしまったことは郷田の心に深い後悔を残すことでしょう。自分にとっての幸せが誰かの幸せとは限らない、刺さりました。
「屋根裏の散歩者」に「罪と罰」の要素が入ることで郷田が男を殺す動機が苛立ちや嫌悪感や衝動的なものではなく善いことだと思って決行したものになりました、二つの物語が綺麗に合わさっていて好きなお話です。
☆流石信頼と実績の川﨑プロ、一番演技が安定していた印象です。顔が良くて頭も良くて歌もダンスもアクロバットも出来て演技もこなすとか逆に何が苦手なの…?(A.逆立ち)(A.アロエジュース)
皇輝さんの口から「死んだ方がいい人間は死ねばいいと思ってた」という台詞が聞けるとは思わなくて動揺しました。
第五話「二百十日の二百十段」〜夏目漱石「二百十日」より
陸(安嶋秀生)、圭(檜山光成)
明るく楽しく見られました!中盤にこのような明るい回があって良かったです。
圭が不満をつらつら述べていくのを陸が受け止める構図だけど、ハゲてる人が不幸とは限らないとか圭の家のお豆腐屋さんなくさないでほしいとか話す陸は、人の意見に流されずに自分の意見をはっきり言えるタイプですね。
陸は圭を「ポジティブ」と言ったけど陸の方がよっぽどポジティブだと思ったよ。
圭は色々な不満があるけどそのことに文句ばかり言うのではなくどう向き合って解決していくのかが大事になるだろうなと思いました。社会に出たらもっと不公平で理不尽なことが待ち構えているかもしれない。
圭は元々正義感が強い子のようだからこの世の中は生きにくいところだと思うな〜。がんばれ若者!
それにしても福沢?福田?ボロクソ言われていて笑いました。
☆リアルDKの普段の会話を覗き見しているみたいでドキドキしちゃった〜。噛んだり言い間違えたりしてもそのまま進んでいくからリアルでおもしろかったです。
檜山くんの壁ドンやばすぎましたが檜山担の皆様は無事でしょうか。
話は逸れますが陸と圭は龍一郎と鷲尾🎶と考えたら楽しくなります。
第六話「稲荷坂の秘密」〜谷崎潤一郎「秘密」より
信一(深田竜生)
刺激が欲しかった信一だから、魅力的な謎の女に興味を惹かれて虜になっていった。あの赤い部屋がどこなのかも、女が何者なのかも分からない秘密の状況がたまらなく楽しかったんでしょう。
ただ、女が特別な人ではなく普通の人だったと知ってなーんだ、と目が変わる信一が怖かったです。女もそうなると予想がついたから正体を聞かれても何も明かさなかったんでしょうね。秘密を知ってしまったことにより魅力を感じなくなってしまったということか。知らない方が楽しいこともあるのかも…。
女が出てきたのは最初に信一が本を買った本屋さんでした(よく見ると信一が本を買った時お店の奥に金髪の女性がいる)、意外とずっと近くにいたんだね。
女は赤い部屋で信一は白い部屋なのが対比になって良かったですが、ラストの場面で本屋に火をつけて本当に赤い部屋にしてしまった信一は怖すぎました。
あの袋の中身が何なのか本気で分からないので教えてほしいです。
☆深田の女装かわいいじゃ〜〜ん!☺でも体つきめっちゃ男じゃ〜〜ん!☺女装だいすきオタクなので当時はめっちゃ楽しみにしてました想像してたより似合ってた♡
作品の告知をする時、深田は刺激を求める連呼しすぎじゃね?と思ってたけど確かに重要事項でしたね。
あと個人的にゆりあちゃん好きなので嬉しかったです
第七話「外科室のある洋館」〜泉鏡花「外科室」より
高峰(織山尚大)
高峰は初めて目が合ったあの時から先生に惹かれていたんでしょう、だから父親が先生と関係を持っていると知った時とてもショックを受けた。親子で好きなタイプって似るんですね(この場面でそれ言う?)
母親は先生に何をしたんだろう、先生が学校を辞めたのは母親が関係してるのかな。逆に高峰の両親の離婚は先生が関係しているのかな。あれドロドロしてきましたね…?
あの外科室には世の中とは違う時間が流れている、本当なわけないけどもしそれが本当ならどれほど良かったか。あのまま二人だけの世界に行けたらいいのにって本気で願ってしまいました。
原作ではあの後すぐ二人とも亡くなるようですが、せめてこの世界では報われてほしい…。でも明らかに高峰に好意を寄せていた女の子に「もう会えない」と言い残し去ったのを見ると、もうこちら側の世界には戻って来られない決意と覚悟も見えますよね。幸せな未来は訪れないのかな…。
ところで秘密を口走りたくないとはいえいくらなんでも麻酔なしの手術は痛いと思います。その痛みに耐えられる貴船さんの強さも描かれているんでしょうけど痛いよ〜…。
☆織山くんだからこそ出せた儚い雰囲気だと思いました。織山くんのまっすぐな眼差しとクラシックの音楽が合わさってすごく引き込まれました。
第八話「少年と舟」〜森鷗外「高瀬舟」より
真鍋(北川拓実)
足るを知る→人間の欲には限界がない。でも真鍋は留まることが出来ている。欲を出せないくらいつらい生活をしてきたんだね。「ここ(少年鑑別所)にいても自由はない」って言われてたけど真鍋には元から自由なんてなかったんだよね。
真鍋の口癖は「すいません」だったけど弟の口癖は「ごめん」。謝る弟をいつも近くで見てきて、弟の一番の笑顔を見られたのが弟が死ぬ間際だったというのがつらすぎる…。
ごはんが美味しい真鍋、弟の笑顔を思い出す真鍋、もらい泣きします。
好きな人の役に立つのは良いこと、それも内容によるけど、弟を殺したのは法律的に良くなかったことで、でも弟にとってはありがたかったことで、考えれば考えるほど何が最善だったのか分からなくて苦しくなります。この兄弟が救われる道って本当にどこにもなかったのか?
最終的に先生の役に立てたことは本当に良かったです。まあこれも状況が状況ですが…。大人たちなにやってるの💢になりました不倫はアウト不倫相手に身篭らせたのはもっとアウト💢
☆拓実の悲しい顔は見ていてこちらも悲しい気持ちになる…。八話を見たあと暫くは楽しそうな拓実を見ると良かったなあ(泣)と情緒不安定野郎になっていました。
第九話「雪おんなの風」〜小泉八雲「雪女」より
茂之(元木湧)、クニオ(平塚翔馬)、ヒロシ(青木滉平)
雪女の番外編みたいなお話ですね。ブックカフェに来た少年が父親に言えない思いを抱えていたからこのような構成になったのかな。
風の声が聞こえる茂之。山で男に会った時から何度か風が吹いていたけど、次第に強くなっていって、風が危険だってどうにかして知らせてようとしてくれていたんだね。だから茂之も危険を察知できたわけで。
ボックスの中に入っていた血だらけの服や靴、同じように山に入ってきた人たちの物。男が後ろに立っている場面は怖くて未だに見られません…。大人になると知られたくない秘密がある、山は怖いところ、ソウデスネ…。
お母さんは姿が見えなくなってもいつも茂之のことを守ってくれていたんだね。いつか茂之も風の声が聞こえなくなる時が来ると思うと悲しい。お母さんもそれを知っているだろうから悲しいよね。
茂之が風の声が聞こえたから3人の命が助かったし男の愚行も明らかになったけど、クニオとヒロシがあの場にいなかったら茂之は男によって殺されていたかもしれない。いつまでも3人仲良くね。
☆あおわくしょま仲良しでかわいかった〜!!普段の3人の仲の良さがそのまま演技に現れていてニコニコしました🥰
少し自担の話。最初、文豪少年の制作を発表された時、翔馬くんの名前はありませんでした。
正直、悔しかったです。
しかしのちに追加キャストとして発表されて、すごく嬉しくて。普段はあまりマイナスな気持ちを表に出さない翔馬くんが最初出られないんだって落ち込んだって言葉にしていて胸がキュッてなったし、このチャンスを活かしたい、もっと演技のお仕事をさせてあげたいと思いました。放送を今か今かと心待ちにしましたし、いざ放送された時はもう本当に嬉しくて。大切な思い出です。
あと何回でも言うけど個人的に、翔馬くんが演技する時いつも近くに湧くんがいてくれて心強かったです。また翔馬くんの演技を見たいなあ🫧
第十話「冬の青い日傘」〜夢野久作「空を飛ぶパラソル」より
真木(内村颯太)
真木は初めは動画投稿を純粋に楽しんでいたのかもしれない、でも次第にもっと注目されたいとか、有名になりたいとか、お金が欲しいとかそういう欲も出てきてしまって、そのためにネタになることはないか必死に探していたのかなって。
でも、だからといって人の不幸をネタにするのは絶対にやってはいけないことなんですよ。正直、女性が屋上から飛び降りた時も、お母さんを亡くした女の子の話を聞いた時も、どちらも「これはいいネタになる」と真木が少しでも思ってしまったことが気持ち悪くて軽蔑した。
「あなたにも怖い人たちの手が伸びるかも」、実際一番怖い人は記者の女性でした…。
真木はこの罪を一生背負って、一生パラソルの幻影に苦しみながら生きていくんでしょうね。
初見では現代のネット社会に強く訴えかけた作品だと思いましたが、原作もほぼ同じ内容で(女性が飛び降りる話は「空を飛ぶパラソル」、母を亡くした女の子の話は「濡れた鯉のぼり」の要素)、そこまで大きな変更はされていないようです。どちらも読み終えたあとの後味の悪さがすごいです…。いつの時代も報道が与える影響って大きくて、その分恐ろしい。
☆ジャスティスマン・ザ・ホワイトとかいう絶妙にダサいセンスなんなんですかwww
動画内の喋り方が普段の内村くんでニコニコしちゃった。
内村くんがジェットコースターみたいって言った理由が分かった気がしました。色んな表情ができるのすごいことだよ。
それぞれ悩みを持った少年たちが、本を読んで自分の中に落とし込んで気持ちを整理して前に向かって進んでいく。
ブックカフェを出る時にはみんな来た時よりスッキリした表情になっていたのが印象的でした。
また、読み手によって受け取り方がさまざまなのもこの作品のおもしろいところだと思います。いろんな考え方があっていいんだよね。だから私の感想が他の方とズレていたとしてもそれも人それぞれの考えとして多目に見て頂ければ…(逃げ道をつくった!)
今回、以前書いていた下書きでは少し物足りなく感じて加筆しました。
それに伴い久しぶりに作品を見返したり原作のあらすじを軽く読んだりしましたが、知ろうとすればするほど新たな疑問が出てきてなかなかむずかしかったです!だからこそ楽しかった!
まあ私の読解力がないだけなのかもしれませんが、楽しかったので自己満足に浸らせてください(笑)
見終わったあとのあぁ…って余韻に浸る時間もすごく好きなんですよね〜😌
にんじゃは当時は演技経験が少ないメンバーが大半だったのにそれを感じさせないほど堂々と演技をしていて、見ていて引き込まれました。
どの作品もその子が主演だからこそ作り出せた世界観だと思います。出演のなかったメンバーが主演の回も見たいし、いずれはそれぞれのメンバーの代表作ほしいですね。
ちなみに今日はDVD発売から丸一年だそうです(というのを狙って今日このブログを投稿した)
久しぶりに見返してみるのも楽しいですよ!✨
文豪少年続編、期待しております♪